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チェロの歴史をたどるには、まずヴァイオリン族(ファミリー)の起源を探らなければいけないでしょう。
![]() 初期の弦楽四重奏
人類の誕生当時から、おそらく人間社会には音楽、すなわち歌やリズムがあったと思われます。現代の私たちがいまそう名付けているクラシック音楽という音楽のジャンルの起源は、ヨーロッパのキリスト教会でミサに使われたグレゴリオ聖歌といわれる単旋律です。キリスト教の厳しい規則の中で発展してきたこの音楽文化は、やがて輪唱(カノン)を生み出し、対旋律(フーガ)が出てきます。それに伴ってひとつの旋律をユニゾンで奏でる、たとえば歌と楽器が同じメロディーを弾くという形態から、協和音の伴奏を付けるという技術が発展してきます。
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みんなヴィオール族の派生楽器です。この他にヴィオラ・バッサよりオクターブ低い楽器でヴィオローネという楽器があり、これが今のコントラバスの前身です。
また弓も現在の形になるまでにたくさんの変化を遂げています。
![]() 弓の変化1620〜1790年 前出のヴィオールを弾く四人の写真では本当に狩に使う弓のような弓で演奏されているが、1700年代の後半にほぼ現在のかたちが出来ました。この後フランスのトルテ(1747-1833)によって現在の形が完成され、以来約200年間維持されています。 しかし殆ど時代を同じくして、ちょうどこのころ(ヴィオール族の全盛期)ヴァイオリンが考案されて登場してきます。このヴァイオリン族に現代の私たちにおなじみのヴァイオリン、ヴィオラ、我らがチェロ、そしてコントラバスが含まれます。
![]() ニコラ・アマティのチェロ
ヴァイオリン族とヴィオール族の相違をあげるとするならば、
などがあげられますが、私が考えるところのヴァイオリン族の最大の特徴であり、天才的アイデアは魂柱(サウンド・ポスト)だと思います。何と言っても「魂柱」の発明は馬車にエンジンを積み込んで、自動車にしたような画期的な発明です。(これのおかげで音が倍増するのです。)また、前記に楽器を4種類に統一したとの記載をしましたが、厳密にいえば「4つに淘汰された」という言い方が正しいでしょう。
さて、最初のチェロは、ガスパロ・ディ・ベルティロッティ(1542-1619)という人が作りました。一般には北イタリアのサロという町に住んでいたので、清水の次郎長みたいにガスバロ・ダ・サロって呼ばれてます。それから有名なのが、イタリアのクレモナという町のニコラ・アマティ(1596-1684)そしてその弟子のアントニオ・ストラディバリ(1644-1737)です。(ちなにみこのホームページで紹介されている三戸素子のヴァイオリンはニコラ・アマティの1675年作で、ヴァイオリンの名手パガニーニが所有していたものです。) それから、他のチェロの名工はガルネリ一族(当時は日本の窯元のようにその一族、また何代にもわたって楽器が作られた。)ルジェリ、またガダニーニ(私のチェロ)やベルゴンツィ、モンタニアーナ、グランツィーノ、テストーレ、ガリアーノ他があげられます。またこの他にも現代に至るまで数々の名工が素晴らしいチェロを残しています。
参考文献 William Pleeth "Cello" Yehudi Memuhin Music Guides |